■私のデザイン帖 01 -エジプト編-
 

エジプトを訪れると、あちらこちらで“スカラベ”と出会うことが出来ます。金や銀、石や半貴石で出来ている装飾品や壁や柱などにレリーフで彫られているものや顔料で描かれているものなどいろいろです。
“スカラベ”とはコガネムシ科の甲虫で、糞転がしの一種。糞を丸めてころがしていることから、古代エジプトでは太陽を転がす聖甲虫として太陽神と結び付けられ、神の化身[ケペラ神]として崇められました。そして、創造・復活・不死のシンボルとして時代を超えて愛され、様々な形で現代に息づいています。

実は私は以前から甲虫のフォルムがとても好きで、クワガタ等をモチーフにしたジュエリーを数多く手掛けてきました。もちろん“スカラベ”も何度か試みましたが、何か憧れだけで形にしてしまうのはもったいない気がして、実際にエジプトに行って、その中で感じたままに制作したいと思っていました。古代エジプト人によって神格化された甲虫“スカラベ”。そのパワーを肌で感じとりたい!その想いで私は、いろいろな“スカラベ”をみつけてはデザイン帖に描き込みました。

私のデザイン帖

特に印象に残ったのは、ルクソールのカルナック神殿にある巨大な“スカラベ”です。大列柱群を抜け、少しひらけた聖なる池のそばに、それはいました。
すごい存在感。暑い砂埃の風の中で、太陽の光を全身に浴びたフォルムは、生命力を感じる美しい形でした。
これがシルバーだったらかっこいい宇宙船みたい!と思った瞬間、私の想像はさらに広がり、いろいろなスカラベ形宇宙船のデザインが頭の中を飛び回っていました。

余談ですが、この巨大“スカラベ”には言い伝えがあって、像の周囲を周るとその回数で願いごとが叶うとか。もちろん私も暑い中ぐるぐると周りました。

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さらに印象的だったのが、カイロ考古学博物館にある有名なツタンカーメン部屋の装飾品群の中の“スカラベ”達です。この博物館は100以上の部屋数があり、所狭しと古代エジプトの収蔵品が並べてあります。それら想像を越えた収蔵品の量と質の高さは、息をするのを忘れるほど。観て観て観まくりました。
ここには、かの有名なツタンカーメンの墓から発掘された黄金マスクや秘宝の数々が、他の部屋とは別格に用意されています。ツタンカーメンの名前の一部に“スカラベ”が使用されていることもあって装飾品の多くにみられます。美しい装飾品の中でも、取り分け存在感を放っていました。
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